Skip to content

SMBC グループ

株主提案

三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、2050年排出量ネットゼロとパリ協定の目標に向けた取り組みを表明しているにもかかわらず、グループの新たな方針はこれらの目標と整合したものになっていません。

同グループの最新の気候関連方針には具体的な行動計画が含まれていません。SMBCは、短期および中期の削減目標を開示することに依然として同意しておらず、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)の「2050年ネットゼロへのロードマップ(Net Zero by 2050 Roadmap)」(以下「IEAネットゼロ・ロードマップ」)に従って化石燃料の供給拡大や関連インフラへの融資等を行うことのないように講じた有意義な措置の開示もなされていません。

マーケット・フォース、350.org Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワーク、気候ネットワークの4団体は、SMBCグループに対し、投融資先における温室効果ガス排出量の短期および中期の削減目標を設定・開示すること、ならびに、新たな化石燃料開発に寄与することのないようにするための措置を策定・開示することを求める株主決議案を提出しました。
上記提案は、気候関連リスクへのエクスポージャーを減らすことでSMBCグループの企業価値の維持と向上を目指すものでもあります。

投資家の皆様には、マーケット・フォース、350.org Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワーク、気候ネットワークが提出した決議案に賛成票を投じていただくよう推奨します。

SMBCグループの最新の気候関連方針の分析はこちらからダウンロードできます

2050年までに投融資ポートフォリオ全体での排出量をネットゼロにするという目標をSMBCグループが掲げていることはきわめて重要な一歩ですが、それだけでは、同グループが当該目標達成に向けて着実に進んでいることの確証にはなりません。この長期的目標は、短期および中期の目標を伴うことによって初めて信頼できるものになるのです。

国連環境計画(UNEP)の「排出ギャップ報告書2019」では、短期と中期の目標がきわめて重要であることが示されました。同報告書によると、地球温暖化を1.5℃未満にとどめるためには、2020~2030年に年平均2.7%のペースで排出量を削減する必要があります。さらに、同報告書は、特に、2025年までの年間削減率がきわめて重要であることを強調しています。なぜなら、先延ばしにすればするほど「排出量の削減はより急激で困難」なものになり、「2025年までだけで毎年15.5%の削減が必要になり、1.5℃未満という目標はほぼ達成不可能になる」からです。

SMBCグループは、ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)を通じて中間目標の設定を約束していますが、その目標は融資のみを対象とするもので、2030年以降の目標も含まれます。
当該株主決議案提出4団体は、ここ数年にわたりSMBCグループと関わりを持っており、最近では、気候関連リスクに関する方針についてのやりとりがありました。SMBCグループは、これらの問題に積極的に取り組む姿勢を見せていますが、これまでのところ、短期および中期の目標やSMBCグループの投融資をどうやってパリ協定の目標と整合性あるものにするかについて、開示するという提案はなされていません。

SMBCグループは、気候関連の目標と方針(石炭鉱業セクターに関する方針を含む)の強化という点において一定の前進が認められます。同グループが現行の石炭火力発電に対するフェーズアウト戦略(プロジェクトファイナンス3000億円相当)に新規および既存の石炭火力発電設備関連のコーポレートファイナンスを追加したことは、一歩前進です。しかし、その他の「石炭火力発電向け融資」との関連で抜け穴が残っています。
このほど公表された直近のコミットメントを含めてもなお、SMBCグループは新規の石油・ガス開発向け投融資の制限については何ら方針を設けておらず、明らかに、IEAネットゼロ・ロードマップやパリ協定に整合していません。

こうした状況が続くことになれば、SMBCグループの財務リスクはきわめて高い水準にとどまることになると思われます。よって、投資家の皆様には、マーケット・フォース、350.org Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワーク、気候ネットワークが提出した株主決議案に賛成票を投じていただくことを推奨するものです。
株主決議案と支持声明書はこちらからダウンロードできます

Back To Top